composer 作曲家

ウィニペグ③

この夜、わたしの作品が演奏されました。「埋木」(うもれぎ)という作品は東京国立博物館の応挙館(茶室)2014年、ボッツィーニ・カルテットによって世界初演されたましたが、昨年ボッツィーニ・カルテットの導きもあり、全曲を推敲しました。我ながら、カルテットのおかげで成功作になったと思います。演奏はやはり絶妙でした。
わたしの作品の他にも三つの作品が演奏されました。皆カナダ人の作曲家で、クラスター・フェスティバルの共同監督にして在英のLuke Nickel, 私と同じ街の出身で現在は在モントリオールのMarielle Groven, 最近BBCスコットランド響のために大成功のチェロ協奏曲を作った在英のCassandra Miller。その四人の作曲家は全員ボッツィーニ・カルテットComposers Kitchen(作曲家の台所)という若いプロフェッショナル作曲家のためのワークショップの同窓生です。ボッツィーニ・カルテットのトレーニングプログラムは本当に功を奏していますね。
演奏のあとで、聴衆は色々な無料の甘い物を食べながら、招待された作曲家(すなわち、クラスター・フェスティバルの監督Luke Nickel氏以外の作曲家)はパネルディスカッションをしました。司会者の質問を受け、わたしは日本の伝統芸能の構造を用いた作曲実践の説明をしました。それから、聴衆からも質問を受けましたが、わたしには大変難しい質問が来た。今、北米の若者の中に、アイデンティティーポリティクスの意識が強くなっています。それは知っているので、そのような質問がくるのをちょっと見込んでいましたが、その話題は難しいので話したくなかったのです。聴衆はアイデンティティーポリティクスの問題に絡めて、白人でありカナダ人であるあなたが日本人の音楽構造と和楽器を使うのは私物化(appropriation)ではないか?という質問です。もちろん、ほとんど10年間在日外国人として暮らすわたしはその話題をよく考えていました。わたしの答えは日本は植民地ではなくむしろ帝国だった、だからかつて日本人は名誉白人だった、したがって黒人とアラブ人のようなアイデンティティーポリティクスはちょっとあてはまらないと思っています、というもの。また普通の日本人は残念ながら伝統芸能について全然知らないのでふ。学校ではほとんど教わらないですし。わたしは10年間以上、日本の伝統音楽と能とその美学を勉強してきました。我ながら、普通の日本人よりわたしの方が日本の伝統芸能をよく知っていると言えるでしょう。
文化は国際的なものだと思います。祖先や系統は関係ないと思うのです。伝統芸能をよく学んで、実践するならどの国の人でもやっていいとわたしは思います。日本人だけど、敬意を払わず伝統芸能を使ったらよくない。そこに人種は関係ありません。
日本人の皆さんは、どう考えていますか?
とにかく、ボッツィーニさん達はすごかった。ウェニペグも驚くほど印象的な街です。行きなさい!